「出羽桜 桜花吟醸酒(おうかぎんじょうしゅ)」は、日本酒史において特別な意味を持つ銘柄だ。1980年に出羽桜酒造が市販化した「桜花吟醸酒」は、日本で最初に「吟醸酒」という言葉を商品名に冠して一般消費者向けに販売した、いわば「日本の吟醸ブームの原点」ともいえる。
1970〜80年代当時、吟醸酒は鑑評会出品用の「幻の酒」であり、一般の酒屋で買えるものではなかった。出羽桜酒造の創業家・仲野益美氏(後の会長)が「吟醸酒を皆に飲んでほしい」と一念発起し、酒販店ルートで一般販売を開始したことが日本全国に吟醸ブームを巻き起こす引き金となった。
現在も「桜花吟醸酒」は出羽桜の定番品として製造・販売されており、その歴史的意義と現在の品質の高さから、日本酒ファンの間で「一度は飲むべき歴史的名品」として語り継がれている。
山形県の清澄な水と低温長期発酵の技術で仕込まれた桜花吟醸は、吟醸ブームを生き続けた酒として今もなお現役。初心者への日本酒入門として、あるいは歴史的意義を感じながら楽しむ一本として、幅広い層に愛されている。
テイスティングノート
香り
華やかで爽やかな吟醸香が柔らかく広がる。桜の花を思わせるような清楚な甘み、瑞々しいリンゴや白桃のフルーティさ。山形の冷涼な空気を感じるような清々しい香り立ち。
味わい
軽快でしなやかな口当たり。適度な甘みと上品な旨みが調和し、吟醸らしいフレッシュな酸がきれいな後切れを生む。重くなりすぎず、それでいて確かな旨みを持つ。吟醸ブームの原点として今もなお手本となる味わい。
余韻
きれいでさわやかなフィニッシュ。余韻に残る淡い花の甘みと爽やかな酸が心地よく、飲み飽きない設計。食事との相性もよく、幅広い料理に合わせやすい万能な余韻。
酒
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