醸し人九平次(かもしびとくへいじ)は、愛知県名古屋市緑区の萬乗醸造が1997年に立ち上げたブランドだ。15代目当主・久野九平治氏が「世界を舞台に日本酒を語れる蔵を作る」という野心のもとに始め、ワインの聖地パリへの輸出を果たした先駆的な銘柄として日本酒の歴史に刻まれている。
「別誂(べつあつらえ)」は九平次シリーズの最高峰ライン。「別誂」とは「特注品」「特別仕立て」を意味する言葉で、最高の原料・最高の技術・最高の手間をかけた特別な一本であることを示す。兵庫県特A地区産の山田錦を使用し、精米歩合は35%という超高精白。
パリのミシュラン三つ星レストラン「タイユバン」や「ロジェ&ガジュール」などのトップレストランのワインリストに日本酒として初めて掲載されたのが九平次のブランドである。フランスの食文化の厳しい審美眼をくぐり抜けた実力は、国内外で「日本酒の概念を変えた」と評価される。
2009年からはフランス・ブルゴーニュ地方でぶどう畑を取得し、ワイン醸造にも着手。「大地」「農」「食」をテーマに掲げ、酒米の自社栽培にも取り組む農業型酒蔵へと進化した。
テイスティングノート
香り
芳醇でエキゾチックなアロマが印象的。白い花や完熟マンゴー、トロピカルフルーツのような複雑な香りに、ミネラルのニュアンスが重なる。ワインを彷彿とさせる奥行きのある香り立ち。
味わい
口に入れた瞬間に感じる品格のある甘みと豊かな旨み。35%精米の透明感の中に、山田錦由来の深いコクが潜んでいる。緊張感のある酸が全体を引き締め、甘すぎず辛すぎない完璧なバランスを保つ。
余韻
長い余韻が続き、果実の甘みとミネラル感が交互に顔を見せる。飲み込んだ後もしばらく口の中に留まる上質な旨みの名残が、この酒の特別さを物語る。
酒
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