磯自慢(いそじまん)は、静岡県焼津市の磯自慢酒造が手掛ける、日本酒界に確固たる地位を築いた銘柄だ。「中取り純米大吟醸35」は搾り工程の「中取り」部分のみを瓶詰めした最高峰ラインであり、精米歩合35%という超高精白が生み出す究極の純米大吟醸である。
かつて日本の伝統的な酒造りと一線を画すスタイルで業界の注目を集めた磯自慢。仕込み水には南アルプスの伏流水を使用し、兵庫県特A地区産山田錦を中心に厳選した酒米を使用する。「中取り」とは醪を搾る際の最初と最後を除いた中心部分で、最も純粋で雑味のない酒液のみを取り出す贅沢な技法だ。
2008年の北海道洞爺湖サミット(G8首脳会議)において日本政府が選んだ公式乾杯酒に採用されたことで、世界的な知名度を一気に高めた。各国首脳の前に供された事実が、日本酒の世界レベルでの評価向上に大きく貢献した。
生産量は極めて少なく、全国の特約店のみで販売。入荷待ちが生じるほどの人気を誇り、二次流通では定価を大きく上回る価格で取引されることも珍しくない。
テイスティングノート
香り
クリスタルのように澄み切ったグラスの中に、白桃・マスカット・白い花(ジャスミンや金木犀)のアロマが複雑に絡み合う。品のある甘みの中に爽やかな清涼感があり、一嗅ぎするだけで特別な酒であることがわかる格調高い香り。
味わい
口当たりは驚くほど滑らかで、シルクのような柔らかさ。白桃やマスカットの果実味が広がり、そこに凛とした酸と精緻な甘みが重なる。35%精米が生む透明感のある旨みは他に代えがたく、雑味が一切ない純粋な美しさがある。
余韻
長く優雅に続く余韻。フルーティな甘みがゆっくりと引いていき、最後にわずかなミネラル感が残る。清涼で品格のあるフィニッシュは、まさに日本酒の頂点にふさわしい。
酒
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