花陽浴(はなあび)純米大吟醸 八反錦は、埼玉県羽生市の南陽醸造が醸す幻の日本酒の筆頭だ。年間生産量わずか200石(約36,000升)という家族経営の極小蔵から生まれるこの酒は、十四代・而今・新政と並んで「入手困難な日本酒の代表格」として愛好家の間で絶対的な存在感を放つ。
2003年酒造年度より5代目蔵元と姉夫婦の3名体制でスタートした花陽浴は、「太陽の陽ざしをたくさん浴びて、みんなの花が咲きますように」という願いから命名された。蔵元名「南陽醸造」は三国志で諸葛亮孔明が隠棲した地・南陽に由来し、地名への深いロマンが感じられる。
花陽浴の強烈なパイナップル香の源泉が「瓶燗急冷(びんかんきゅうれい)」という独自製法だ。瓶詰め後に加熱処理を行い急速冷却することで、カプロン酸エチル系の香気成分が特定のバランスで固定される。無濾過・原酒のまま出荷することで風味を最大限保持した仕上がりは、広島県産の八反錦(精米歩合48%)の清潔なキレと合わさって唯一無二の酒質を実現している。
SAKETIMEでは4.43/5.0・全国10位という突出した評価。特約店への入荷は1〜数本単位で、抽選・先着販売が常態化。正規価格から市場では数倍以上に高騰するケースも多く、埼玉の地酒イメージを一変させた存在として日本酒史に刻まれている。
テイスティングノート
香り
強烈なパイナップル香が開栓直後から溢れる。マンゴー・トロピカルフルーツのジューシーな芳香が続き、南国フルーツのような鮮烈な印象。
味わい
ジューシーな旨味と甘味が全開で広がり、しっかりした苦味と適度な酸味が複雑さを演出する。八反錦由来のキレある酸がフルーティーな甘みを引き締め、バランスの取れた豊かな味わい。
余韻
フルーティーな余韻が長く続き、苦味が引き締め役となる。後口に残る甘酸っぱさが余韻を豊かに彩る。
酒
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