朝日酒造株式会社(Asahi Shuzo Co., Ltd.)|日本・新潟の日本酒蔵

朝日酒造株式会社は、新潟県長岡市朝日に蔵を構える1830年(天保元年)創業の老舗酒蔵。主力ブランド「久保田」は1985年のブランド刷新以来、淡麗辛口の新潟スタイルを全国に広めた代名詞的存在として30年以上にわたりトップブランドの地位を維持している。千寿・萬寿・碧寿・百寿など漢字に「寿」を冠したラインナップで構成され、新潟県産酒米と朝日の軟水が生み出す繊細な風味が特徴。

「酒楽の里あさひ山」という体験型複合施設を運営し、製造工程の見学(予約制・10月〜4月下旬)や試飲・直売を提供。日本酒文化の発信にも積極的に取り組む蔵元として、国内外から高い評価を受けている。

朝日酒造は自社の農業法人「有限会社あさひ農研」を通じて酒米の自家栽培に取り組んでおり、契約農家と合わせて地域農業との結びつきを重視している。「五百万石」「千秋楽」など新潟県を代表する酒米を中心に使用し、米と水の品質に妥協しない姿勢が長年にわたる品質の安定を支えている。

2019年には久保田シリーズの30年ぶりとなる新ライン「久保田 純米大吟醸」を発売し、食中酒としてだけでなく単体でも楽しめる現代的なスタイルを提案。ワイングラスで楽しむ日本酒という新しい飲酒シーンの提唱にも積極的で、若い世代や海外市場への訴求力を高めている。

蔵の背後に広がる朝日山系からの伏流水は超軟水で、淡麗辛口の新潟酒の特徴を際立たせる重要な要素となっている。毎年10月から翌春にかけて酒蔵見学を受け付けており、長岡花火で有名な長岡市の観光と合わせて多くの日本酒ファンが訪れる人気スポットである。

特徴

淡麗辛口・新潟スタイルの代名詞。全商品吟醸造り以上を採用。「酒楽の里あさひ山」で見学・体験を提供

歴史

1830年(天保元年)、新潟県長岡市の農村地帯「朝日」の地で「久保田屋」として創業。初代から代々、越後の清冽な水と地元産酒米を活かした酒造りを継承してきた。

1985年、現在の「久保田」ブランド体系を整備。デザイン・品質・コンセプトを統一した新ブランドは全国の酒販店・飲食店で爆発的な人気を博し、「新潟淡麗辛口」という日本酒スタイルを全国に広める牽引役となった。

現在は体験施設「酒楽の里あさひ山」を運営し、製造工程見学・試飲・直売を通じて日本酒文化の普及にも積極的に取り組む。「久保田」は国内需要にとどまらず海外輸出も拡大しており、世界市場での日本酒普及に貢献している。

基本情報

正式名称 Asahi Shuzo Co., Ltd.
創業年 1830年
操業状況 稼働中
所有会社 朝日酒造株式会社
見学 要予約
公式サイト https://www.asahi-shuzo.co.jp/
Wikipedia Wikipedia
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蒸留所情報

蒸留器数 自社精米機・麹室・仕込みタンク多数
蒸留方式 吟醸造り・長期低温発酵(淡麗辛口スタイル)
モルト使用 五百万石・越淡麗(新潟県産酒米)
水源 朝日の地下軟水
熟成倉庫 ステンレスタンク貯蔵・瓶囲い低温管理
年間生産量 非公開(関東甲信越有数の規模)
使用樽 ステンレスタンク・ホーロータンク
主力ジャンル 日本酒
主要ブランド 久保田
久保田 萬寿(純米大吟醸)
久保田 千寿(吟醸)
久保田 百寿(特別本醸造)
久保田 碧寿(山廃純米大吟醸)
朝日山

代表銘柄

所在地

日本
都道府県州 新潟県
住所 〒949-5412 新潟県長岡市朝日880−1
郵便番号 949-5494

この地域について

新潟県は本州の日本海側に位置し、越後平野が広がる日本有数の米どころ・雪国。南北約200kmに及ぶ広大な農地と、飯豊山脈・越後山脈・妙高山を含む山岳地帯に囲まれ、清冽な雪解け水が豊富な地下水・河川水として農業と醸造業を支える。「越後の長者」と呼ばれた豪農文化は江戸時代から醸造業と深く結びつき、現在も全国有数の酒蔵集積地として知られる。

「淡麗辛口」という日本酒スタイルを全国に広めた新潟の地酒文化は、厳寒の冬(豪雪地帯)が生み出す長期低温発酵と、五百万石・越淡麗などの地元産酒米によって育まれてきた。長岡市は越後平野の中心都市として古くから交通・文化の要衝であり、柔らかな軟水と適度な寒暖差が吟醸造りに理想的な環境を提供してきた。

新潟の酒蔵は「久保田」「八海山」「越乃寒梅」など全国区の銘柄を多数擁し、1980〜90年代の地酒ブームをリードした。淡麗辛口の代名詞として確立された新潟酒は、現在も日本酒の基準軸の一つとして世界的に高く評価されている。