エンジェルズエンヴィー バーボン ポートバレルフィニッシュは、ウイスキー業界の伝説的人物リンカーン・ヘンダーソンが人生の集大成として作り上げた一本である。ブラウン・フォーマン社に約40年在籍し、ウッドフォードリザーブ、ジェントルマンジャック、ジャックダニエル シングルバレルといった歴史的銘柄の開発を手がけたヘンダーソンは、2004年に退職後も自らのビジョンを追い続けた。2010年、息子ウェス・ヘンダーソンの説得に応じてアンリタイアし、長年温めていたアイデアを形にするべく「エンジェルズエンヴィー」プロジェクトを始動させた。
2011年の初リリース当時、ポートワイン樽によるバーボンのフィニッシュは業界内で前例がほとんどなかった。アメリカ市場に継続的なバレルフィニッシュ製品を持ち込んだ先駆者として、エンジェルズエンヴィーは革命的な存在となった。製法はケンタッキー州で最低6年熟成させたストレートバーボンを、ポルトガルから直輸入したフレンチオーク製60ガロンのルビーポートワイン樽に移し、3〜6ヶ月間のセカンドフィニッシュを行うというものだ。
「エンジェルズエンヴィー」というブランド名は、熟成中に樽から蒸発する原酒「天使の分け前」に由来するとともに、「天使でさえも羨む」ほどのバーボンを目指すという創業者の強い意志を表している。2016年にはルイビルのウイスキーロウに本格的フル生産蒸留所をオープン。リンカーン・ヘンダーソンはその完成を見届ける前に2013年に他界したが、彼のレシピと哲学はウェスをはじめとするヘンダーソンファミリーに引き継がれ、今もなお生き続けている。
テイスティングノート
香り
バニラとトーストオークの豊かな基盤の上に、ポートワイン由来の完熟ベリーとダークフルーツの甘い香りが鮮やかに広がる。メープルシロップのような甘美さとともに、ローズやハーブのほのかなフローラルノートが加わり、複雑で誘惑的なアロマを形成する。
味わい
シルキーで上品な口当たり。ダークチョコレート、ドライフィグ、レーズンといったポートワイン由来のリッチなフルーツフレーバーが中心に広がり、バーボン本来の甘いバニラとベーキングスパイスが調和する。赤ワインのタンニンがバックボーンとなり、全体に深みとボディを与えている。
余韻
赤ワインのような余韻とキャラメルの甘みが長く続く。オークのほどよい渋みとスパイスが最後まで支え、ポートワイン由来のドライフルーツが心地よく喉に残る。長めのフィニッシュで最後の一口まで複雑な味わいを楽しめる。
酒
💬0